新渡戸稲造の「武士道」を読んで、章ごとに、気づいたこと・感じたことを綴っています。
今日は第八章。
この章は、『名誉』について書かれています。
この章で一番心に残ったのは、「名誉は強き家族的自覚と密接に結ばれているが故に、真に出生以前の感化である」という一文。
なぜ、それが心に残ったのかと言えば、「名に恥じない」とか「家名に泥を塗る」とか、とにかく「名」とは、もうその家に生まれてしまったら最後、抗えない守るべきものとして、確かにしっかり教育されてきた感が、私自身の実感としてもあるなあと感じたからです。
とくに、それを言うのは、母親のイメージが強いのも特徴じゃないかと思います。
母が子供に、何かいけないことをしたとき
「そんなことするなんて、あなたはこの家の子じゃありません!!」
と叱ったりする光景は、よく見た気がします(私も言われたことがある気がする・・・)。
つまり、名誉とは、単体である個人のこと、というよりは、先祖代々伝わる、その家に受け継がれてきた誇り・プライドと言ったものも含まれる、ということ。
名誉と対比して、「恥」という感情のことも書かれていましたが、「恥」が原初的かつ人間が持つようになった始まりの感情として聖書の中のアダムとイブの記載(知恵の実を食べた後の感情)の引用もありました。
恥、という感情は、人間が最初に感じた負の感情
つまり、「自分」というものを宇宙自然と切り離して自覚したとき(つまり、自我がスタートしたとき)に初めて芽生えた感情と言えるかもしれません。
とすれば、自我(エゴ)を超えるには、「恥」という感情を突破していくことが、認識の拡張に重要なポイントになるんじゃないか、そんな風に感じました。
今日も読んでくださってありがとうございます。