梅原猛さんが亡くなったというニュースをみました。
とても有名な哲学者、ということと、そしてこの本以外、私は彼のことはあまり知りません。
教職についていた両親から、何度か名前は聞いたことがありました。
そして、20代最後のころ、たしか庭のことを学んでいるときに出会ったのが、彼の書いたこの本でした。
『森の思想が人類を救う』(小学館ライブラリー)
あ、ほんとうは、そういうことだったんだ。
私たちは、そういう存在だったんだ。
それまで生きてきた中で、誰も教えてくれなかった日本という国や日本人のアイデンティティーについて、大きな発見と感動をくれたのが、その本でした。
その時から、私にとって、決して手放さない、もっとも大切な本の中の一冊、として位置づけられてはいましたが、
改めてちゃんと時間をとって読み返したことはありませんでした。
今、ぱらぱらとめくってみたときに、この本が、私にとって、アイデンティティのとても大きなターニングポイントになっていたということを感じざるをえません。
それだけ、深く、大きな視点で、日本人の精神性のルーツ、そして人間の精神性のルーツな様なものが表現されています。
その後の数十年の人生で、改めて気付き、発見してきたことが、この本の中に詰まっていました。
そんな一冊の本との出会い。
この本との出会いがなければ、あるいは、その数年後の『0=∞=1』との劇的な出会いもなかったかもしれません。
人生は、奇跡の連続。
この本を書いてくださった梅原猛さんに感謝を込めて、そして、ご冥福を祈りたいと思います。