「本当の自分を分かってくれる人なんてどこにもいない。もし一瞬そんな人が現れたとしても、ずっとお互いを理解し続けることなんて無理。だからどこかで妥協して合わせて折り合いをつけて生きていくしかない、それが人生。」
そんなふうに思ったことはないでしょうか?
あっきーこと荒牧明楽さんは、2020~2021年にかけて一緒にプロジェクトを推進した仲間でもあり同僚でもあります。
仕事は早いし、とても賢く、しかも爽やかな好青年。
一緒にいてとても頼りになるし、しかもソフトで、いつも気持ちよく働くことのできる存在です。
そんな彼は、実は生まれながらに、自分が自覚する性と、体の性が違う、という状況で生まれ育った、という体験の持ち主です。
今回、彼の人生を綴った初の出版本が完成して、数日前に、読み始めて一日かからずに読了しました。
いろんな人が感想に書いていた通り、読んでいて、何度も涙がこみ上げてきます。
そして、状況は違えど、共感するところがいくつもありました。
一番共感したのは、冒頭に書いた「本当の自分を分かってくれる人なんてどこにもいない。」という思いと、消えない孤独感です。
特殊な状態で生まれたからからこその、私なんかには想像もできない葛藤もたくさんあったと思います。
でも、この本は、私たち誰もが感じる「人と分かり合えない葛藤」を代弁してくれていると感じました。
人生で何度も押し寄せる葛藤。そして、到達した結論。
更に、
実は、誰もが、もうすでに時代や社会の中で勝手につくられている「無意識のバイアス」の中にはめ込まれていることを、この本を読んでいて、自分ごととしてすごく実感しました。
男は男らしく
女は女らしく
外形で分類されて、時代が社会が要求するバイアスに沿って、小さな箱の中に閉じ込められていく感覚。
小さい頃は「男子は自由でイイな」
社会人になってからは「なんで男性に合わせて作られている会社システムに合わせて、女性も必死で頑張らないといけないのか?女性に男性化を求めているのか?」と理不尽に思った経験が私にもあります。
自分が決めつけている「こうあるべき」
社会に決めつけられる「こうあるべき」
その二つにがんじがらめになる感覚・・・
詳しくは、ぜひ、本書を手に取って読んでみて下さい。
有名な詩「みんな違ってみんないい」では、本当の多様性を受け入れる社会は実現できないということ。
なぜなら、一瞬分かり合えたとしても、分かり合えた人はずの人たちの中でも
さらなる争いが生まれてしまうから。
そこに対する解決策はあるの?
今まさに起こっているウクライナでの戦争。
全世界が見ているのに誰も止められない。そんな歯がゆさ。
本当の問題が何なのか、突き止めない限りは決して終わらない葛藤。
そして、ようやく出会えた本当の問題とその解決策。
そして、それによってあっきー自身がどう変化したのか。
それがとても具体的に書かれていました。
究極の葛藤の末に出会った答え。
本書によって、「みんな違ってみんないい」その前に絶対的に必要なものがあることがよく見えてきます。
どんな人であっても、手に取って読んでみてほしい、そんな一冊です。
この本を上梓してくれたあっきーには、心からの尊敬と感謝を送りたいと思います。
そして、この本が一人でも多くの人に届くことを、心から願っています。
初めての本を出版します〜トランスジェンダー の私が悟るまで〜荒牧明楽著 | Over the rainbow For LGBT~福岡 (lgbt-connect.com)